毎回ゼロから考えるのは、もう終わりにしましょう
前回の第二講義では、AIに伝えるときに押さえておきたい「5つの要素」を解説しました。
ただ、こう感じた方も多いはずです。
- 毎回ここまで丁寧に入力するのは、正直ちょっと面倒!
- うまくいく時もあれば、微妙な答えが返ってくる時もあるよね!
- もっとラクに、安定して使える方法はないの?
その答えの一つが、今回のテーマであるテンプレート化だと思います。
あらかじめ使いやすい型を持っておけば、毎回一から文章を組み立てなくても
必要な部分だけ入れ替えてすぐ使えます。
しかも、AIの回答にムラが出にくくなり、欲しい答えに近づきやすくなります。
40代の強みは、気合いで頑張ることではありません。
仕事をラクにする仕組みを作れることです。
今回は、コピペでそのまま使える、自称「黄金テンプレート」を紹介します。
今日からAIを、思いつきで使う道具ではなく、頼れる右腕として使えるようにしていきましょう。
第1章:なぜテンプレートを使うと、回答の質が安定するのか
AIは、何もない状態で「いい感じにやって」と言われるより、
やること・条件・出し方が整理された指示のほうが得意の様です。
この点については、人から依頼される場合でも、
「資料を作って」とだけ言われるより、
「営業会議用で、A4一枚、箇条書き中心、結論から先に」と言われたほうが動きやすいはずです。
AIも同じです。
枠組みがあると、何を優先し、どんな形で返すべきかが明確になります。
テンプレートを使うメリットは、大きく3つあります。
1. 毎回の入力がラクになる
使うたびにゼロから考えなくて済むので、作業の立ち上がりが速くなります。
2. 回答の質がブレにくくなる
良かった指示文を型として残せば、毎回似た水準の答えを引き出しやすくなります。
3. 自分以外でも再現しやすい
テンプレートは、自分の中だけの感覚を「型」として残せるのが強みです。
副業でも本業でも、成果を安定させるにはこの再現性が欠かせません。
AI活用で本当に差がつくのは、センスではありません。
うまくいったやり方を、きちんと型にして残せる人です。
そしてこのテンプレートは、冒頭でも触れましたが
部下や同僚、家族に依頼するときにも結構な確率で有効です(笑)
第2章:まずはこれだけで十分。実務向け「黄金テンプレート」
有名な型として知られているのが「深津式プロンプト」です。
とても優れた考え方ですが、そのままだと人によっては少し堅く感じることもあるかもしれません。
そこでここでは、40代の実務で使いやすいように整理した、シンプル版を紹介したいと思います。
#命令書:
あなたは、[〇〇のプロ]です。
以下の条件を守って、[入力文]に対して回答してください。#条件:
・目的:[何のために使うか]
・相手:[誰に向けた内容か]
・文体:[簡潔に / 丁寧に / 親しみやすく / 専門的に]
・制約:[一文は60文字以内 / 専門用語は避ける など]#出力形式:
・[箇条書き / 表形式 / メール文 / 下書き など]#入力文:
[ここに内容を入れる]
この型のいいところは、必要な情報の置き場所が決まっていることです。
とくに大事なのは、次の4つです。
1. あなたは何者か
「秘書」「編集者」「営業担当」「企画のプロ」など、役割を与える。
2. 何のために使うか
メールなのか、会議資料なのか、ブログ下書きなのかを明確にする。
3. どんな条件で出すか
短く、丁寧に、専門用語なし、などの制約を入れる。
4. どの形で返すか
箇条書き、表、件名付きメール文など、出力形式を指定する。
この4つを入れるだけで、AIの回答はかなり扱いやすくなります。
なお、「#」で項目を区切る書き方は、
人が見ても整理しやすく、あとで修正しやすいのが利点です。
難しいことをする必要はありません。
見出しを付けて、情報を分ける。これだけで十分です。
第3章:【コピペOK】ビジネスで使える3大テンプレート
ここからは、実際にそのまま使えるテンプレートを3つ紹介します。
まずはこの3つがあれば、普段の仕事でも副業でも十分役立ちます。
角を立てずに断る・丁寧に依頼する
40代のメールで大事なのは、礼儀と効率のバランスです。
言い方ひとつで印象が変わる場面ほど、AIに下書きを作ってもらう価値があります。
用途
- 納期調整のお願い
- やんわり断る返信
- 部下や取引先への依頼文
- お礼メールの下書き
コピペ用テンプレート
#命令書:
あなたは、ビジネスメール作成に強いベテラン秘書です。
以下の内容を、相手に失礼がなく、かつ回りくどすぎない丁寧なメール文に整えてください。#条件:
・文体は丁寧で自然
・相手に不快感を与えない表現にする
・要点はぼかさず、結論はわかりやすく伝える
・件名案も1つ付ける#出力形式:
・件名
・本文#入力文:
[ここに伝えたい内容を入力]
入力例
納期を1週間遅らせてほしい。
理由は確認作業に想定以上の時間がかかってしまったため。
相手に迷惑をかけることへのお詫びは絶対に入れたい。
長い文章を、短時間で頭に入る形にする
会議メモ、長文の記事、調査資料。
全部を丁寧に読むのが理想でも、現実はそうはいきません。
そんな時は、AIに「何を残し、どう並べるか」を任せると、一気に楽になります。
用途
- 議事録の整理
- Web記事の要点抽出
- 社内共有用のまとめ
- 資料のたたき台作成
コピペ用テンプレート
#命令書:
あなたは、情報整理が得意な編集者です。
以下の文章を、短時間で要点がつかめるように整理してください。#条件:
・重要な内容だけを残す
・結論を先に書く
・専門用語は必要最低限にする
・40代のビジネスパーソンがスマホでも読みやすい形にする#出力形式:
・要点3つ
・全体の結論
・次に取るべき行動があれば1つ提案#入力文:
[ここに文章を入力]
入力例
会議の議事録全文や、長めの記事本文をそのまま貼り付ける。
一人で悩む時間を減らし、案を一気に広げる
企画や副業のネタ出しで止まる人は多いです。
でも、最初の案出しはAIに任せたほうが速い場面がたくさんあります。
大事なのは、最初から完璧な1案を狙うことではありません。
まず選べる材料を増やすことです。
用途
- ブログ記事のタイトル案
- 新企画の切り口出し
- キャッチコピー作成
- 読者ニーズの洗い出し
コピペ用テンプレート
#命令書:
あなたは、読者の関心を引く企画づくりが得意な編集者です。
以下のテーマについて、実用性があり、思わず読みたくなる案を作成してください。#条件:
・40代が興味を持ちやすい内容にする
・きれいごとではなく、現実的な悩みに刺さる案にする
・似た案を並べるのではなく、切り口を変える
・難しい言葉は使わない#出力形式:
・案を10個
・それぞれ一言で狙いも添える
・表形式で出力#入力文:
テーマ:[ここにテーマを入力]
入力例
テーマ:40代の副業初心者に向けたAI活用ブログ
第4章:自分専用の「秘書箱」を作ろう
テンプレートは、使って終わりではありません。
むしろ本番は、そのあとです。
実際に使ってみて、
- この聞き方はよかった
- この条件を足したら精度が上がった
というものが見つかったら、必ず保存しておきましょう。
おすすめの保存先は、次のどれかで十分です。
- PCのメモ帳
- Googleドキュメント
- スマホのメモ
- ブラウザのブックマーク
- 辞書登録
いちばん手軽なのは、辞書登録です。
たとえば、よく使うメール用テンプレートを
「aiめーる」
「ai要約」
「ai企画」
のように登録しておけば、毎回打ち直す必要がありません。
この小さな工夫が、1週間、1か月、1年と積み重なると大きな差になります。
AI活用がうまい人は、特別な才能がある人ではありません。
よく使う型を手元に置いている人、であり
その型を活用できる人です。
第5章:テンプレートを使う時の注意点
テンプレートは便利ですが、万能ではありません。
雑に使うと、ありきたりな答えが返ってくることもあります。
そこで、次の3点だけは意識してください。
1. 目的を書かないと、答えがぼやける
同じ「文章を書いて」でも、営業メールとブログ記事では求めるものが違います。
何のために使うかは、できるだけ入れましょう。
何をするにしても、一番大事なのが『why-何のためにそれをするのか?』です。
2. 出力形式を指定しないと、読みにくくなりやすい
箇条書きなのか、表なのか、メール本文なのか。
ここを決めるだけで、使いやすさがかなり変わります。
3. 一発で完璧を狙わない
最初の出力は、たたき台です。
「もう少し短く」
「もっと柔らかく」
「結論を先に」
このように一言足すだけで、仕上がりはかなり変わります。
テンプレートは、AIを縛るためのものではありません。
会話のスタート地点を整えるための道具です。
※ここで一つスペシャルアドバイス
生成AIはまだ開発の成長期にあります。
なので、1回で修正が出来ず同じミスを繰り返すことが多々あります。
その場合は、1回目のミスを踏まえて新しいチャットで依頼してみてください。
おそらく違う答えを出してきます。
このちょっとした工夫を行えるかどうかも
AIと付き合っていくうえでとても大事な考え方だと思っています。
まとめ:型を持てば、考える時間をもっと大事にできる
AIを使いこなすうえで大切なのは、毎回うまい指示をひらめくことではありません。
もちろんその考え方も大事です。
ですが、簡単に時短を狙う一つの手法として、使える型を持っておくことは非常に大切だと考えます。
ただ、同じ型でずっと使い続けることも難しいのは事実ですので、
うまい指示をひらめいたときは、その型に取りこんでみましょう。
テンプレートがあれば、作業の立ち上がりがめっちゃ速くなります。
AIからの答えの質も安定しやすくなります。
そして何より、細かい文章づくりに消耗せず、もっと大事な「判断」や「発想」に時間を使えるようになります。
プロンプト作成そのものに時間をかけすぎてしまっては、本末転倒です。
だからこそ、まずは型を持つ。
それが、AIを実務で使いこなす一番手堅い方法なのだと、現時点では考えています。
【第三講義の宿題】
今日紹介した3つのテンプレートの中から、まず1つだけで構いません。
実際にAIへ入力して、使ってみてください。
おすすめは、いちばん日常で使いそうなものから始めることです。
メールでも、要約でも、企画出しでも大丈夫です。
使ってみると、
「考える時間が減った」
「最初の一歩がかなり軽い」
という感覚を実感できると思います。
次回の第四講義では、
一発で完璧な答えを狙うのではなく、AIとやり取りを重ねながら答えを深めていく
「ゴールシークプロンプト」
について解説します。
